tomshannon’s diary

69歳の爺です、ストレス解消に素直に記したいと・・・

オルゴール

小さな公園で小さな女の子がブランコに揺られている

空を見上げると今にも雨が降ってきそうな雲行きだ

すると小雨が降って来た、女の子は慌てて走って帰って行った

それを見てこんな話を

 

       「オルゴール」

 

今日はしとしと雨が降っている、公園へ亜紀ちゃんと遊びに行きたいのに行けないよ、せっかくの冬休みなのに。

亜紀ちゃんと私はこの春から小学校に上がったクラスメイトなんだ、亜紀ちゃんと公園で遊ぶ時はいつも弟君も一緒よ。

 でも雨だし・・・

おうちの中で絵本を読んだりウロウロしたり、お母さんは何か忙しそうにお掃除やお洗濯をしている。

 

ウロウロしていると、納戸の戸が開いていたので入ってみた。うす暗かったので電気のスイッチを探し電気を付けると色々な物が所狭しと置いてある。

きょろきょろ見ていると小さな箱が目に入った、蓋を開けようとしたが開かないのね

色々やってみたけれどやっぱり開かないので諦め自分の部屋に戻った

 でも気になる・・・

 

あくる日、気になっていたのでまた納戸へ行き、箱を見ていると横にお人形さんが居るの!

少し古い人形だけど微笑んでいるように見えたので「おはよう」って声を掛けたのね

すると「フフフ」って笑ったように思えたの

   私 「え!喋ることが出来るの?」

   人 「ふふふ」

   私 「昨日もいた?」

   人 「はい、いましたよ」

   私 「そうなんだ、いつからここに居るの?」

   人 「そう、お母さんがここに引っ越しして来た時に一緒に来たのよ」

   私 「へ~ お名前はなんていうの?私は希よ」

   人 「エヴァよ」

   私 「お母さんと仲がいいの?」

   人 「はい、お母さんが希ちゃんの歳の頃からのお付き合いですよ」

   私 「ふーん そうだこの箱知ってる?」

   人 「はい私がお母さんと知り合った時からお母さんの宝物でしたよ」

   私 「宝物かぁ、触ったら怒られるかもしれないね」

   人 「大丈夫だと思いますよ、お母さんは優しい人だから」

   私 「ねえ ねえ 開け方知ってる?」

   人 「え・・・」

   私 「知ってるんでしょ!教えてよ」

   人 「それは・・・」何回か聞いたがはっきりしない

   私 「意地悪!もういい!」

 

今日は青空が広がっている、亜紀ちゃんと公園へ遊びに行った、もちろん弟君も一緒だ。

私も弟が欲しいなぁって思ったのね、だから夕飯の時にお母さんに言ったの

  「私も弟が欲しい~!」

その時お母さんはにっこり笑ってお父さんの顔を見たのね、お父さんも笑顔になっていたの

 

数日後エヴァと話をした

   希 「この間は怒ってごめんね・・・」

   エ 「うん いいのよ」

   希 「この前ね お母さんに弟が欲しいって言ったんだ」

   エ 「そう お母さんはなんて言っていた?」

   希 「笑っていただけ、お父さんも・・・」

   エ 「大丈夫ですよ、きっと弟君をプレゼントしてくれますよ」

   希 「そうだといいなぁ ねぇ箱の開け方教えてくれない?」

   エ 「わかったわ、でも約束してくれたらね」

   希 「どんな約束?」

   エ 「う~んまた話すね・・・」

 

その後、お正月が過ぎ新学期が始まった頃、、お母さんのお腹が大きい事に気が付いた

   希 「お母さん お腹が大きいよ 大丈夫?」

   母 「大丈夫よ 希へのプレゼントだから」

何の事か解らなかった

 

その頃エヴァとは色々話をしていて、お母さんの小さい時の話やお父さんとの出会いなど聞かせてくれた

ある日エヴァ

   エ 「もうすぐよ」

   希 「何が?」

   エ 「プレゼント」

   希 「プレゼント? そうだ約束ってなによ」

   エ 「それももうすぐよ」

良く解らない話だなぁって

 

桜が散り、雨の降る日が多くなった頃

朝起きるとお母さんが居なくておばあちゃんが来てたのね

   希 「おばあちゃん おはよう」

   婆 「おはよう、ご飯出来てるよ」

   希 「どうして居るの? お父さんは?」

   婆 「お母さんもお父さんも病院よ」

   希 「えっ! どうしたの?」

   婆 「大丈夫よ、ご飯食べたら後で病院へ行こうね」

   希 「うん」

   婆 「電車で行くからオシャレして待ってて、片づけをしたら呼ぶからね」

 

少し不安でしたが、おばあちゃんもニコニコしているしエヴァに聞いてみようと思い納戸に行ってみた

エヴァがいつもの様に微笑んでいるのよね

   希 「ねえ 何があったの?」

   エ 「プレゼントの用意が出来たのよ」

   希 「用意って 病院でプレゼント?」

   エ 「そうよ それに約束してくれるって言ってたわね」

   希 「うん 何?」

   エ 「箱の開け方はね、上についている天使を2度回すの、でも今はだめよ」

   希 「うん いつ開けるの?」

   エ 「病院へ行ってお母さんの横で開けて欲しいの、約束よ」

   希 「でもぉ お母さんの宝物勝手に持って行って怒られない?」

   え 「大丈夫よ 約束守ってくれたらね」

   希 「うん わかった 約束する!」

 

おばあちゃんと電車に乗り病院へ行った、小さな箱を紙袋に入れて

お母さんがベッドに寝ていて、お父さんが横の椅子に座って居眠りしていたのだが私たちの気配に気が付いたのか

   父 「おう 来たか」

   希 「うん 大丈夫なん?」

   父 「ああ 大丈夫だよ」

その時母が目をさまし

   母 「希ちゃん プレゼントよ、お父さんと見てきて」

   父 「見に行こうか」

何か解らずプレゼントと言うのでわくわくしながらついて行くと、大きなガラスの向こうに赤ちゃんが何人も並んでいたの

お父さんが私を抱っこして「あの子だよ 希の弟」

 そう弟がプレゼントでした

小さくて可愛い~うれしくて足をバタバタさせて「お父さん ありがとう!」って叫んでしまったの

 

お母さんの部屋に戻ってお母さんにも「ありがとう」って言ったら

   母 「遅くなったね」って

   希 「うん 有り難う」

   母 「エヴァが何か言ってなかった?」

えっ お母さん知っていたんだ、怒られるかも・・・

   希 「ごめんなさい、お母さんの宝物持ってきたよ」

   母 「いいのよエヴァに頼まれたのよね」

   希 「うん エヴァがね、お母さんの横で開けなさいって」

   母 「ふふふ そう 帰ったらエヴァにお礼を言っておいてね」

 

私が天使を回すと

綺麗な音が聞こえてきた、静寂の森の中で聞こえる音のようです

          「Happy Birthday to you」

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女の子目線が解りづらかった、68歳の爺には無理がありちょっときもかったかなwww