うつむく母さん
大阪には「黒門市場」と言われる商店街が有る、浪速の台所と言われ江戸時代から続いている街で160ほどの店が軒を連ねている。
久しぶりに行ってみたが、昔の面影はなかった
父 「おい義男 久しぶりに出かけるか?」
義男 「ああ いいよ どこへ行くの?」
父 「黒門市場へ行ってみようと思う」
母 「私も行く~」
父 「三人で出かけるか」
母 「三人って久しぶり~」
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父 「うわぁ~ ここは日本じゃないよ」
母 「外国へ来たみたい」
義男 「中国語にハングル それに聞いた事の無い言葉・・・」
父 「インバウンドも良いけど・・・これじゃぁなあ・・・」
義男 「ほんと 昔からの日本の文化が失われてるよ」
母 「あっ・・・」
義男 「どうしたの?母さん」
母 「前から歯医者の先生が・・・」
歯医者 「やぁこんにちは」
父 「こんにちは お買い物ですか?」
歯医者 「いやぁ 最近観光客が多くて値段が高くなったのでここでは買えませんよ」
父 「そうなんですか 観光化されてしまっていますね」
歯医者 「お母さん 歯の具合はどうですか?」
母 「あっ はい 大丈夫です」
歯医者 「それは良かった では お大事に」
義男 「母さん なんでうつむいているの?」
母 「何でも無いわよ!」
義男 「母さんの事だから また何かしたんだろ 言っちゃえよ」
母 「え~ この間 治療してもらっていたときね、口の中に何か突起物の様な物が有るのに気づいたのね 気になったので舌でコロコロしてると先生が
・・・それは 僕の指ですよ・・・って・・・」
父 「ははは 母さんらしいなぁ」
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母 「あら 可愛い犬が~」
義男 「ほんと 猫もいるよ 奥に鳥も」
父 「こんなところにペットショップが有ったかなぁ」
義男 「母さん このオウムなんでもそのまま言い返してくれるんだよ」
母 「そうなの じゃ ・・・おはよう」
オウム 「オハヨウ」
母 「ほんとね ・・・暑いね」
オウム 「アツイネ」
母 「 ・・・今何時」
オウム 「イマナンジ」
母 「そこは 2時 って言って欲しいなぁ~」
義男 「それは無理だよ」
母 「そうね では ・・・義男」
オウム 「マチガイ・・・マチガイ・・・マチガイ」
母 「えっ・・・三回も言わなくても・・・」
義男 「ん? 母さんどうしてうつむいているの・・・」