かぐや姫
昨夜ベランダに出ると月が綺麗に微笑んでいた。タバコを燻らし思いを馳せてみた。
昔々 ある大和の国に お爺さんとお婆さんそして小さな女の子が住んでいました。
その女の子の名は「かぐや」と言いそれはそれはこの世の者とは思えないほどの美しさで、その美しさは村で評判になり、その評判が大和の国全体にいきわたりました。
そして月日が経ち かぐやも年頃になった頃、
爺 「かぐや そろそろ嫁に行く年頃になったの」
婆 「私たちも もう長くはないので生きている間に嫁に行ったらどうかの」
かぐやはお爺さんとお婆さんと別れるのが嫌で返事をしませんでした。
しかし噂を聞きつけた若者たちが、毎日の様に全国からかぐやを見に来ていました。
なかには 嫁にする条件として金銀財宝を用意する者も現れ、また大和の国の王子様までが求婚して来たのでした。
かぐやは考えました そして出した答えが
「不老長寿の薬を持参した者の所へお嫁に行きます」
その薬があれば お爺さんもお婆さんも あの世とやらへ行かなくても良いと考えたのでした。
それを聞いた若者たちは 我先と不老長寿の薬を探しました。
ある者は大陸に渡り ある者は南国の島に行き不老長寿の薬を探してきました。
しかし どれが効くのか解らない お爺さんとお婆さんは順番に飲むことにしました
その上 効いているのか効いていないのかも解らないまま飲んでいたのですが、薬の飲みすぎで体調を崩して寝込んでしまいました。
それもそのはずで、若者たちは噂や言い伝えなどの話で適当に持ち帰った物ばかりでした。
かぐやはお爺さんとお婆さんが寝込んだ事と自分の愚かさに涙が止まりませんでした。
しばらくして周囲も心配するなか かぐやは「若返りの薬」があればお爺さんとお婆さんが若返り別れなくて済むと考え
「若返りの薬を持ってきた者の所へ嫁ぎます」と・・・
若者たちは若返りの薬を探しに出かけました。
しかしその薬が届く前にお爺さんとお婆さんが亡くなってしまいました。
だが若者たちは不老長寿の薬の事があるので、若返りの薬を適当に持ち帰る事は出来ず諦めてしまいました。
そんな中、一人の若者が訪ねて来て
「これを飲ませてあげてください、若返りの薬です」と言い残し帰っていきました。
かぐやはお爺さんとお婆さんが亡くなった事を言えず困り果て、自分でその薬を飲んだのでした。
あくる日の夜 その若者がかぐやの家を訪ねたところ、家のなかは何もかも無くなり空き家になっていました。
若者は薬が効かなかった為、かぐやに振られたものと思い肩を落として帰って行った。
その帰り道 竹藪の横を歩いていると一本の竹が光っている・・・
何だろうと思いながらも、かぐやに振られた事で気落ちしていたのか気にせず帰ってしまいました。
その光っている竹を切るはずの お爺さんはもう居ません・・・
その竹の光は徐々に弱まり消えてしまった。
そしてその竹は、再び光る事も切られる事も無かったと言う事です。
夏の眠れない夜の爺の妄想話でしたw