「林の中のログハウス カフェ」
昨日、近くの公園に立ち寄ってベンチに座っていると、向かいのベンチに自分より少し上かと思われる老夫婦が座られました。
二人は間におかきを置き、持ってこられたお茶を紙コップに注いで楽しんでおられました。
その時に思い出した話ですが、いつどこで読んだか忘れました、その上はっきり覚えていないので自分なりにまとめてみました。
ここは、常に住んでいる人は疎らな静かな別荘地の様な所です。少し入った林の中に、ログハウスのお洒落なカフェがありました。
年配のマスターが一人で切り盛りしている落ち着いたお店です。
カウンターで珈琲を戴き、バッハのピアノソナタが流れているのを楽しんでいると、年配の着物姿の女性が一人で入ってきました。
黙って、自分の一つ横のカウンターの席に座りましたが、注文もしないで黙ったままです。
しばらくすると、紳士的な男性が入って来て、その女性に声をかけました。
男 「隣に座っても良いでしょうか?」
女 「はぁ どうぞ」
常連さんなのかマスターは注文もされていないのに珈琲を出していました。
しばらく無言だった二人なのですが
女 「実はね私 狐なのよ」
男 「そうなんですか 実は私は狸なんですよ」
女 「まぁ 騙されるところでしたゎ」
男 「私もですよ でもどうして狐って事を打ち明けたのです?」
女 「いえ 貴方がどんな顔をするのかなぁって 冗談のつもりで ホホホ」
男 「はい 私もですよ 貴方の言葉に乗ってみましたw」
女 「私は 人形を作る作家なんですのよ」
男 「それは凄いですね 良いお仕事だ」
女 「有名では無いですが・・・」
男 「実は 私は絵描きなのです」
女 「まぁ すてき」
男 「私も有名では無いですよ」
男 「ところで 貴女の絵を描いてみたいのですが モデルになってくれま
せんか」
女 「まぁ もうこの歳なのでヌードは・・・」
男 「いえいえ そんなんじゃありませんよw 貴女のお姿を通して貴方の
生きてこられた人生を描きたいと思って」
女 「まぁ でも・・・」 女性はうつむいたままでした
男 「いいじゃないですか さあ帰りましょう」
女 「帰るって?」
男 「そう 貴女は私の妻ですよ・・・」
女 「そうなのw 私の主人なの?」
男 「そうですよ 帰りますよ」
と言いながら女性の手をとって帰りかけました
すると マスターが「気をつけてお帰り下さい」と声を掛けていました
「帰り道 狐や狸に騙されない様に お気をつけて」
あっけに取られてマスターの顔を見ていると
「いつも ああして楽しんでいらっしゃるのですよ」
ooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo