欲の無い指導者
「博士 何をされているのですか?」
「うㇺ 歴史をさかのぼってるんだよ」
「そうなんですか いまどのあたりですか?」
「西暦〇○○○年だよ」
「随分昔ですね 何か面白い事でも?」
「そうだな この時代も争いを好んでしていたようだが
ウイルスとも戦っていたようだ」
「それは大変な出来事ですね 上手く乗り切ったのでしょうか?」
「それが・・・この時代に 定義された言葉があるのじゃ」
「それは 何と言う言葉です?」
「・・・指導者・・・だよ」
「・・・指導者・・・ 意味合いは?」
「指導者と言うのは 『思慮深くて欲の無い人』だと定義付けられている」
「それは素晴らしい!」
「でもなぁ 根拠がおかしいんだよ・・・
指導者と言われる彼らは何百万・何千万・何億という民の上に
立っていたんだが・・・
「・・・私は無欲な人間だ 私は何百万・何千万・何億の民の幸せなど欲していない 自分一人の幸せしか望んでいない こんな無欲な人はいないだろ・・・」
どうもおかしいのだよ・・・どうも・・・