雨の精 「ピコ」
僕の名前はケンって言うんだ
目が覚めた時に雨の音が聞こえたのね、嬉しくなって急いで起きたんだ
だって お母さんに買ってもらった長靴と傘をで学校へ行けるんだもん
母 「あら 今日は早いのね」
僕 「うん 雨だもん!」
お母さんが微笑みながら
母 「まぁ まぁ そんなに長靴と傘 気にってくれているのね」
それでね 学校の帰りに スキップしたり くるっと回ったりしながら傘をクルクル回して踊りながら 公園の大きな木の下まで行くと
・・・ふふふ ふふふ・・・って聞こえたんだ
あれっ だれ?と思っていると
・・・ふふふ・・・と笑いながら小さな女の子がこっちを見ていたんだ
その子もピンクの長靴でピンクの傘を持っているんだ
僕 「君はだれ?僕ケンって言うんだけど君は?」
少女 「名前? せい(精)かな」
僕 「せい?変なの~」
少女 「じゃぁ 私の名前つけて」
僕 「そうだなぁ ピンクの子でピコはどお?」
少女 「かわいい それがいい」
僕 「じゃ決まりだ ピコ」
僕 「その長靴 君も母さんに買ってもらったの?」
ピコ 「・・・ふふふ・・・そうよ ねえ お兄ちゃん」
僕 「お兄ちゃん?」
ピコ 「ねえ あそこで遊ばない?」
ピコは手を上へ向け空を指さしていたんだ
僕 「お空? 飛べないよ僕」
ピコ 「大丈夫 行こ~」
そう言うと僕の手をとって引っぱたんだ するとね体がフワって浮いたんだ
びっくりしたんだけど なんだか楽しくなってピコと 小雨のお空で雲の間を行ったり来たりして遊んでいたんだ
しばらくすると 雨も止み お日様が雲の間から顔を覗かせたのね
ピコ 「あっ 雨が上がった! 私帰らなければ・・・」
僕 「えっ 帰るの?」
ピコ 「うん 帰る・・・」
僕 「僕はどうなるの? ここはお空だよ」
ピコ 「ふふふ・・・ 大丈夫」
ピコはそう言って 雲の間に消えて行った
えっ えっ ピコを見ていたんだけど 気が付いたら元の大きな木の下にいたんだ
お家に帰って母さんにこの話をしたらね
母 「まぁ 良かったわね 新しいお友達が出来たのね」
僕 「お友達かぁ でも僕の事 お兄ちゃんって言ってたよ」
母 「そぉ じゃぁ 妹が出来たのね」
僕 「妹だ! また 会えるかなぁ」
母 「また会いに来てくれますよ」
僕 「でも 誰だったのかな・・・」
母 「ケンちゃんだけに見えるんだよ」
僕 「僕だけ?」
母 「そうケンちゃんだけ」
母さんはそう言いながら微笑んでいた
まっいいか! ・・・僕が一番好きな母さんの笑顔が見れたんだもん・・・
☆長靴を買ってもらった時のお話だよ☆
☆逆上がりができた時のお話だよ☆