tomshannon’s diary

69歳の爺です、ストレス解消に素直に記したいと・・・

「声を掛けていたら・・・」  「前」

先日我が家にお客さんが来た!引っ越しして初めてのお客さん!若い?女性が二人

 自分の知り合いで後で出てくる個展に誘ってくれた女性と一緒に行った女性

  彼女らが帰ったあとこんな話を思いついた。

 

        「声を掛けていたら・・・」        「前」

 

誰しも初恋ってものが有る、自分にも淡い思い出が・・・

 

それは中学二年の時だった、団塊の世代で一学年に16クラス、1クラス60人位ざっと900人位が居た、今では考えられないマンモス校だ。

自分は勉強が出来る訳でもなく、スポーツが上手い訳でもなくイケメンでも無い普通の大勢の中の一人だった。

でもいつも自分の周囲に何人かが付きまとっていて、そのグループのまとめ役のような存在だったかもしれない。

 

中二ともなると少し色気づいて来る年頃で、学校内で美人のランク付けなどをしていたものだ

岡田さんが1番だ!2番は青山さんだよね!それに星原さんもいいよね!等と騒いでいたのを思い出す。

 

ある日、青山さんの取り巻きの女子から「青山さんが話が有るから放課後体育館の裏へ来てくれ」とお決まりの場所へ呼び出された

おっと告られるのかな?いやいやNo2の彼女が、そんな訳ないよなぁ~

 

放課後体育館の裏へ行くと数人の女子が待ち構えていた、

  自  「なんだよ、話って」

  取り巻き 「青山さんが、交換したいって」

青山さんの方を見るとくるっと後ろを向いてしまった

  自  「何を交換するんだよ」

  取り巻き 「交換日記だよ!」

 

今の人は知らないだろうが、今の様に携帯電話もないメールって言葉も知らない時代で、この交換日記が流行っていた。

一冊のノートに相手に気持ちを書き相手に渡し、あくる日その返事を書いたノートを渡される、今ではまどろっこしい話だが・・・

  自  「俺で良いのかよ?」

  取り巻き 「青山さんがしたいんだって」

思いがけない事で少し戸惑っていると、青山さんがこちらを向いてニコっと笑ってくれたので

  自  「解ったよ、じゃあノートを買いに行くか?」と青山さんに

  取り巻き 「じゃぁあ私らはお先に帰るね~」

気を使ったつもりなんだろう。

 

それから3・4か月交換日記をしたり二人で遊びに行ったりしていたのだが、自分は柔道部に所属していて色気より柔道の方が楽しく交換日記も彼女との付き合いも自然消滅していました。

 

そうこうしてる内に卒業だ、式が終わった後、学校の正門前で特に親しい仲間と話をしていると

彼の肩越しに、取り巻き数人をつれた青山さんが目に入ったので会釈をした、すると彼が振り返りすぐ「俺、もう行くね~」っとその場を離れて行った。

 

すると取り巻きの一人が走って来て「こっち!」と言い自分の腕を掴んで青山さんの前へ引っ張って行った。

  取り巻き 「冷たいんだね!」かなりお怒りの様子

  自  「なんだよ??」

  取り巻き 「解らないの、鈍感・・・」呆れた様子

青山さんを見ると俯いていて何も言わない、なんだよ!っと思っていると急に

  青  「時間ある?・・・」

  自  「あー有るよ」

  青  「ちょっと付き合って・・・」

  自  「あーいいよ」

取り巻き連中がニヤニヤしながら「ではでは、私らは行くね~」って帰って行った。

 

その後二人で近くの公園へ行き、どこの高校へ行くのか?その学校だと通学はバスだね?等色々聞かれ自分も同じような事を聞いていた

一通り話が終わると

  青  「コーヒー飲もうか」

  自  「うん 買ってくるよ」

  青  「違うの、飲みに行くの」

と言いながら立ち上がって自分に付いて来るように促した

  自  「どこ行くんだよ?」

  青  「いいの!」

解らないまま付いて行くと、商店街の端っこの喫茶店だった

ママさんらしき人とウェイトレスさんが二人もいるそこそこ大きなな店だ

中学生が喫茶店に入る事など考えられなかったので、小さくなってカウンターの端っこに二人でチョコンと座った

すると「あれがお母さんよ」ってカウンターの中を見た、自分も見てみるとお母さんが笑顔で会釈してくれたのだが、よく解らなくて恥ずかしかった。

 

それから、高校の入学式までの数日は二人で映画に言ったり遊園地に行ったり青春を謳歌していた。

 

高校は工業高校で男子校だと思っていたが特殊な学科なので女子が二人いて落第生も二人いて高校生活を楽しんでいた。

その頃青山さんの事はすっかり忘れていたのだが・・・

ある日、帰りのバスに乗ると青山さんが乗っていた、前と同じように取り巻きを連れて・・・

家が近くなので同じバスになっても不思議ではないのだが、偶然だったのもあり取り巻きもいて声を掛け辛くてスルーしてしまった・・・

 

時は経ち、社会へ出て人生経験を積み重ね、気が付けば現役を引退する歳になっていた・・・

 

                                                       つづく