ピンク色の風
大阪も開花宣言されました!
僕の名前はケンって言うんだ
学校のね 校庭の隅に大きな桜の木があるんだ、
いっぱい花を咲かせて綺麗なんだよ
僕 「お母さん 学校の桜 綺麗に咲いたよ!」
母 「あらそう 良かったわね」
僕 「うん みんなで見ていると花びらが落ちて来たよ」
母 「そうだ 今度の休みに隣町へお弁当を持って、
お花見に行きましょうか?」
僕 「わ~い 行く行く!」
母 「いっぱい咲いているわよ」
休みの日、目が覚めると台所でお母さんが弁当を作っていた。
僕 「お母さん おはよう」
母 「おはよう もう出来るからね ケンちゃんの好きなウインナーの
タコさんも入れておくね」
僕 「わ~い」
隣町に行くと川沿いにいっぱい桜の木があり、いっぱい花が咲いていたんだ
母 「綺麗ね~」
僕 「うん 綺麗!!!」
ず~っと歩いて端っこまで見て回ったんだよ
母 「あそこで、お弁当を食べましょうか」
僕 「うん!」
桜の木の下のベンチでお弁当を食べたのね、美味しかったよ
するとね 声が聞こえた!
「ケンちゃん 私 綺麗でしょ」
「いえ 私の方が綺麗よ」
「だめだめ 私が一番綺麗なのよ ね~ケンちゃん」
桜さんが話し掛けてくるんだ
母 「ケンちゃん 何を笑っているの?」
僕 「あのね 桜さんがね・・・私綺麗でしょ・・・って、
隣の桜さんが私の方が綺麗って・・・」
母 「まあ 桜さんとお話をしたの?」
僕 「違うよ 聞こえただけだよ」
母 「みんなで私が一番綺麗って 咲き誇っているんだね」
その時、学校の桜の木を思い出していた
あくる日の放課後、大きな桜の下に行き
・・・桜さん 一人で寂しくないのかなぁ・・・
上を見上げていると、一枚の花弁がひらひらと舞い降りて、僕の頭に乗った
僕 「ねえ桜さん寂しくない?」
桜 「・・・・・・」
その時、風がフワァッと吹いたかと思うと、花びらがいっぱいお空に飛び、風がピンク色に染まって、花びらが舞い踊っているんだ。
・・・僕も花びらとお空で遊びたいなぁ・・・
すると大きな桜の間から手が出て来て、
僕を手に乗せ お空で遊ばせてくれたんだ!
花びらと一緒にピンクに染まった風に乗りフワフワ~
・・・ケンちゃん ケンちゃん・・・
・・・うん? 誰・・・
僕 「あっ先生」
先生 「ケンちゃん こんなところで寝たらだめでしょ 風邪をひくわよ」
僕 「はい・・・」
先生 「さぁ もう帰りなさい」
僕 「はい・・・」
・・・夢を見ていたのかなぁ・・・
僕 「ただいま」
母 「お帰りなさい」
僕 「今日ね 桜さんの花びらとお空で遊んだよ」
母 「まぁ お空で?」
僕 「うん! 桜さんの木から大きな手が出て来て
お空へ上げてくれたんだよ」
母 「そぉ 良かったわね・・・」
あの手はお父さんの手だったと思うんだ、鉄棒の逆上がりの時にお尻を押してくれた、あの手と同じ手で温かったんだ!
でもお父さんの話をすると、お母さんが悲しそうな顔をするので言わなかったんだ・・・
☆☆☆逆上がりのお話だよ☆☆☆